夢前町の自然を愛する会について

姫路市夢前町前之庄地区に民間の「産業廃棄物最終処分場」の建設計画が
立ち上がっています。西日本最大級、兵庫県で最大の規模(甲子園球場約10倍)の敷地に、今後約25年間に亘り標高80mから標高200mの高さまで、姫路市からのゴミが1割、残り9割は全国から集められた産廃が投棄され続けることになります。素掘りの穴に直接産廃を投棄する「安定型産業
廃棄物最終処分場」では、廃棄物に付着した有害物質は、
雨水と共にそのまま川や土壌に流れ出ることに…



夢前町の産廃処分場建設計画について

安定型には排水施設とその処理施設の設置が義務付けられないということは…

安定型最終処分場とは

安定型最終処分場には、有害物質や有機物等が付着しておらず、雨水等に さらされてもほとんど変化しない安定型産業廃棄物(廃プラスチック類、 ゴムくず、金 属くず、ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず、がれき類 )のいわゆる安定5品目およびこれらに準ずるものとして環境大臣が指定した品目が埋立処分されます。

安定型産業廃棄物は、有害物質を含まず分解しない産業廃棄物であり、メタンなどのガスや汚水が発生せずに周辺環境を汚染しないとして、処分場の内部と外部を遮断する遮水工や、浸透水(最終処分場内に浸透した地表水)の集排水施設とその処理施設の設置は義務付けられていません。


安定型処分場は、全国で多くの問題を引き起こしています。

全国の安定型処分場の問題点や環境リスク

(廃棄物処分場問題全国ネットワーク2009年度総会記念パネル・ディスカッションより)

■安定型処分場の問題点
  • 5品目そのものに有害物質が含まれており、安定型とは言えないと思われる。
    (水質汚染や大気汚染 の原因となる)。
  • 5品目以外の安定していない物質を持った産業廃棄物が混入すると考えられる。
  • 有機物の腐敗発酵等により悪臭(アンモニア等)や可燃性ガス(メタン等)が発生すると考えられる。
  • 発酵熱により地中温度が上昇し、周辺の農作物に被害を及ぼすと考えられる。
  • 重金属類、胚プラスチック類中の可塑剤等の溶出により、地下水が汚染すると考えられる。
  • 火災の発生によりダイオキシン類をはじめとする有害物質が生成する恐れがある。
  • 安定型5品目に限らずあらゆる産業廃棄物の集積場となる恐れがある。
■安定型処分場の環境リスク
1. 廃棄物の受け入れ段階のリスク
客先から受け入れる際に、契約と異なる廃棄物や物質が混入することによるリスクが生じる。
廃棄物同志が混ざり合って化学反応を起こし、火災爆発を起こすリスク、あるいはそれ自体有害な
物質が混入
することにより環境リスクが生じると考えられる。
2. 廃棄物の搬入時のリスク(道路公害、飛散公害)
収集トラックは、通常早朝から深夜まで処分場への搬出入を行う場合があり、騒音・土埃りによる
道路沿道や近隣住民への環境リスクが生じる。また、ダンプ等から投下する際に粉じん等が飛散し、
周辺への大気汚染公害のリスクをもたらす恐れがある。
3. 中間処理施設による騒音、飛散等によるリスク
破砕・解体・減容施設(焼却施設が設置された場合)などの操業に伴う騒音・振動・粉じんの飛散
ダイオキシン類や廃プラスチック含有物質(環境ホルモン)の揮散などのリスクが生じる恐れがある。
4. 浸出水による汚染リスク
埋め立てられた廃棄物中の有害物質が雨水や湧出水などに溶け出して地下水汚染のリスクをもたらす
恐れがある。
(※夢前川へ流れ出た水は、水源となり市民の飲み水となっています。また、処分場の下流域ではこの水を利用して 農作物を栽培しています。)
■処分場閉鎖後の維持管理リスク

埋立が終了したのちの維持管理状態が悪いと、埋立物の流出や火災の発生、将来にわたって悪臭の
発生が継続
するリスクが生じる。維持管理すべき業者が廃業や閉鎖後にいなくなった場合には、
その管理責任者が不在になることによるリスクが生じると考えられる。



目次に戻る↑
   トップに戻る↑

安定5品目に関する様々な問題は、解決できていません。

日弁連の意見書

安定型処分場が多くの問題を引き起こしてきたことで、国も安定型処分場の問題点を認識し、度重なる
汚染事故や不法投棄を契機として、1997年以降、度々関係法令の改正を行ってきましたが、いくら規制

を厳しくしても、完全に安定5品目とそれ以外とを分別することは極めて困難であり、安定5品目自体に
性質が安定していないものがあるという問題や、あるいは有害物質の流出・拡散の危険性があることも、何ら解決されていません。
これは、日弁連が安定型処分場を今後新規に許可されないよう求める意見書をとりまとめ、
2007年9月6日、環境省に提出しているものです。

「安定型産業廃棄物最終処分場が今後新規に許可されないよう求める意見書」
2007年8月23日  日本弁護士連合会



医療に関わる医師・歯科医の先生方も、危惧しています。

医師及び歯科医師の意見書

医療に携わる全国の医師・歯科医師もこの処分場建設計画に危惧を感じ、姫路市長及び
兵庫県知事あてに意見書を提出しています。
平成25年2月6日現在 総数380筆

「姫路市夢前町・安全型産業廃棄物最終処分場計画 建設許可を認めないよう求める意見書」
保険医協会(医師会、歯科医師会)



関係資料集


目次に戻る↑   トップに戻る↑